土 9 8 月 2008
数字は経営の標準語である
Posted by admin under 石本のコラム
経営は数字に始まり数字に終わる。
ところが、数字をつくる世界に住みながら、いたって数字の嫌いな企業がある。こんな企業は数字で話をすると、卓上論だとか理想論だといって、どうもかみ合わない。
ともかくも、数字に縛られることを嫌い、計数管理ということは苦手中の苦手という者も多い。それも幹部と言われる層に割合多いので困るのだ。
しかし、経営の中から数字をとったら何が残るか、ただ体を動かしてその結果が、良ければよかった、悪かったら残念だった、で終わるといった経営になる。こんな企業は1万円の経常利益でも黒字だったと喜んでいる。
数字は、雄弁に社長の行動を物語る。数字は社長に語りかけてくれる。社長の考え方の正しさ、行動の正しさを教えてくれるとともに、失敗の厳しさも味あわせてくれる。まさに数字は血も涙もない非常なものである。
ではどんな考えで数字と取り組めばよいのか。
目標をしっかりした数字で揚げよ。
- この目標を、1日単位の目標に置き換えよ —– 日商で追え。
- 仕事の結果を数字で見よ —- 数字の良くない結果は駄目だ。
- 自分の数字を大切に —- 自分の存在は自分の数字で示すのだ。
- 数字を伸ばす技を磨け —- 数字と真剣に取り組めば、人間性も技も向上する。
- 目標数値をつくりそれを追う。その中で知恵と努力が要求される。こうして人間が伸びて、企業が伸びる。
- 目標はすべて数字におきかえよ。 —- ロス率1%に、売上は昨年対比5%向上。といった具合に。
- 経営は儲けるためにある。赤字ならまず、赤字の原因を探り出せ。
経営は儲けるためにある。赤字ならまず、赤字の原因を探り出せ。
流れの止まった水は腐り、血流は悪くなって血の滞るところに病気が発生する。
企業も、なめらかに仕事が進まないところが多くなると、そこから事業が沈滞し、やがて赤字企業に転落する。とりわけ赤字の原因となるものが人の性格や能力の問題になると、人体でいえば動脈硬化のようなもので治らない上に次々と全身病に発展していく。
人間の動脈硬化は治らないが、経営の動脈硬化はトップの首のすげかえか、さもなければ人間改革で、大きく改善されるのが救いである。大企業が比較的健全で若々しいのは経営者の交代があるからだ。中小企業の脆弱さ、多死生はトップの交代や改革が少ないからだ。
赤字の原因は数え切れないほどある。その代表例は、
- 経営者の不勉強 —- 時代錯誤。
- 経営者の能力不足 —- 変化や異質の状態に対応できない。
- 経営者の性格に起因するもの —- 頑固で人間的魅力に乏しい。派手すぎ、秘密主義など。
- 幹部の能力不足 —- 評論化集団で実行能力不足のために実行が出来ない。
- 全体的に腐敗化経営 —- 時代の反映がない。
- 商品制作の失敗 —- 感覚がずれているために、商品に魅力がない。
- 設備投資の失敗 —- 安易な投資のつまづき。
- 顧客対策の拙劣 —- 競争企業の顧客政策に甚だしく遅れをとったために、売上の低下と客数の大幅減少。
- 経営方針の失敗 —- 判断の基本が狂っているために、方針そのものに問題がある。
- ロスの多発 —- 社員の指揮の低下、いたるところの中途半端さ、管理能力の拙劣。
- 競合対策の失敗 —- 対策が幼稚。
- 営業力の脆弱 —- 中小企業の中には、営業強化の対策不足が目立つ。
- 製品の成熟化 —- 製品力の弱化。変わる製品が育っていない。
- 経営総合面での脆弱化 —- 時代の経過や諸般の変化に無関心な会社の弱体化。